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異能生存の存在証明(5)~装甲騎兵ボトムズ再考

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4.異能生存の証明

キリコは死なない。この事実に驚愕したのがペールゼンであるが、人間は死を前にすると、もろく、はかない。未来、異なる惑星に開拓、移住となると、人間ではもろく、コンピュータ生命が人間のつぎなる生命となる、とされるのは定説であるが、進化として考えるなら、死なないというのがその絶対条件となるだろう。このような現状にともない、さまざまの思考実験がされているが、キリコが記憶を失っているというのも何やら記号的だ。
現在の量子力学では、突き詰めて考えると、人間が宇宙をつくったのではないか、とまでいわれている。人間原理宇宙論というのがそれで、この宇宙は人間にとって都合が良すぎることから考えられている。確かにビッグバンから現在、遡って考えると、ちょっとでも違っていたら、人間はいないのだし、いかされているともいっていいほどだ。で、この都合のよさというのは、


1-重力定数
2-強い相互作用の大きさ
3-電荷の基本的大きさ
4-光速度の定数


によるそうだ。過去これまでの観測を遡ると、こういう考えができるのだが、実際どうだったかなんてのは、証明されてから翻ってみるから納得しているだけで、タイムスリップしてみないかぎり、はっきりはしない。歴史の証明の筋道をたどるから、人間がいる一本道の歴史ができるのであって、振り返ってビッグバンまでの筋道を見なければ、人間はもしかしたらいないのかもしれない。記憶することによって、人間は今存在しているのかもしれない。
1979年、テキサス大学のジョン・ホイーラー は思考実験のための簡単な試験装置を作った。

※以下は簡略化したもので、正式なものはコチラを参照 されたい。


条件1:光はハーフミラー1を通って二つに分けられ、鏡1と2で反射され、再びハーフミラー2で一つにまとめられる。

条件2:例え光子が一つしか出ていなくても、量子力学の考えでは確率的に経路AとBの間のどこにでも存在しうるため、ハーフミラー2で、それらすべての常態がまとめられ、AとBどちらでも光を見る。

【画像はクリックで拡大!】

思考実験-条件  

実験1:ハーフミラー2を外す。光はまとめられず、光子は単独の粒子として振る舞う。AかBどちらかだけが光を見る。

実験2:光子が鏡を通りすぎたあと、素早くハーフミラー2をさしこんだらすでに光の粒子は鏡に反射され、光子が単独であることが確立してしまったのに、AとBどちらも光を見る。

思考実験-実験結果

∴人間はいつハーフミラーをおくかによって、いったん確立された歴史を過去に遡ってかえることができる。観測は過去をかえる。


光の歴史と宇宙の歴史とでは、量子力学的に記述されることにかわりはないのだから、我々が宇宙を観測し、宇宙の始まりにまで遡って、我々の都合のいいように決めてきた、ということになる。なんだかこれだけきくとど偉いことのように聞こえてくるが、最初の子供的な疑問に戻って考えるとそうでもない。
たとえば、学校の帰り道、ゲーセンに行こうか、古本屋に行こうか迷うとする。そして古本屋にいくと探していた本がたまたま見つかってラッキー! その夜思い返してみると、もしあそこでゲーセンに行っていたとしたら、自分は今どうなっているだろうと。もし無意識に古本屋を選んでいたとして、かつあげにあわないで、掘り出し物を見つけられたからラッキーだったという理由を、後から因果関係として動機づけたら、古本屋に行ったことが証明され、彼の歴史の筋道はつくられる。
非常に現世利益的で申し訳ない例えだったが、損得というハーフミラーを設置することで、歴史はつくられ、逆に、別の視点、現在ヤンキーで、あそこでかつあげにあっていたからという理由にしておけば、彼のヤンキー史が綴られるわけだ。


あと1回! つづく...

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