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南Q太『オリベ』雑感


オリベ
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livedoor BOOKS
書評/

オリーブ に連載されていたマンガのようで、南Q太 の作品を読むのは久しぶりながら、第一印象としては雑誌のカラーが色濃く出ているなぁと。
概要は画像のリンク先を参照して欲しいが、いわゆる一本筋の通ったストーリーのあるマンガというより、架空のキャラクタ、オリベ(オリーブだから?)の日常を断片的に抽出したエッセイマンガといったところ。最近、特に女性作家のエッセイ的なマンガを、しかもマンガ雑誌以外のファッション誌などで見かける機会が増えたように思うが、このマンガもそういった流れの上で生まれた印象を受けた。

むろん南Q太がそういったところから出てきたタイプの漫画家ではないと思うが、作風というか読者層というか、いわゆるヲタなマンガではないし、オシャレな感じだけど、アヴァンギャルドではなく読みやすく、フツーに感情移入できるタイプの漫画家として、こういうエッセイテイストのマンガ、しかもオリーブの読者にも受けがいいだろうという読みが本の端々からビンビン伝わってくる。
そう、作家のイマジネーションとかそういう幻想ではなく、“仕事してまっせ”っていうオーラに満ち満ちているのだ。

別に非難しているわけではない。マンガでメシを喰うのだから、ニーズのある仕事がくるのは当然で、それに適応してこそプロだろう。そこにどう自分というものを入れていくのか、無意識に出てくるのか知らないが、それは作家の気質というか、人それぞれで一介の読者である自分に知り得ようもない。
これまでのいわゆる南Q太な恋愛マンガだって仕事だろう。似たような作品依頼ばかりになる中で、このオリベのような仕事が来て、それを見事にこなす南Q太のプロ意識に敬服した。見事にハマっているのだ。今作のようなテイストを取り入れた南Q太の新境地がみれるような気がしてきた。


ただ、これは好みの問題だが、オリーブで2年、『ウフ.』 で1年チョット掲載された中で、こなれ過ぎ、オリベというキャラがそこらにいそうなキャラから完全な架空の独立したキャラになってしまったのが個人的には残念に思えてしまった。
オリーブ連載分は恐らく前半のフルカラーパートだと思うのだが、オリベは下膨れながらまだ人間的にリアルな程度の下膨れ具合で、所々のカットでは結構女性的に魅力的な一面も見せているのに対し、後半2色刷り部分では、下膨れが有り得ないほどディフォルメされ、クレヨンしんちゃんといっては極端なまでも、丸ものキャラに完全に寄ってしまった感は否めない。
オリーブが休刊となりウフ.に掲載が引き継がれたのだと推測できるが、掲載雑誌の変化が影響を及ぼしているのか(雑誌の傾向自体はあまり変わってないと思うんだけど・・・)、そのトーンの変化はキャラクタの変化だけでなく、コマ割など構成でも変化している。
マンガとしてずっと続けていくのであれば、キャラがひとり立ちするほうが読者としては馴染も出てくるし作品そのものへの関心も高まるだろう。しかしどこかにいそうなキャラではマンガとして限界があるのだろうか。
その辺の事情はわからないまでも、前半オリベ的な部分が、他の作品に波及して、なにか新たな可能性がでてきたら、それはとても興味深い。そんな南Q太の新作に出会える日を、不熱心な読者ながら期待しよう。
・・・それにしても、このオリベ、どうにも大食いで一時旋風を巻き起こした“おとべのりえ”(漢字失念。ググッても出てこないので名前がちょっと憶え違いしてるかもしれない)に見えて仕方がない。実はモデルはおとべのりえで、略してオリベなのか!?


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